夏の暑さも落ち着き、半そでの服では肌寒い日もでてきました。
この時期になると、夏は酷暑のため出かけられなかった方々が島を訪れます。人が多くなったこともあり、島内を走るバス、自転車、車にバイク、どれもたくさんの方がご利用されていますが、あえて歩いて島を回っている方々もいます。どうして徒歩で移動するのか、島を歩いて回ることは可能なのか。実際に島に来てみないと分かりにくいと思います。ですが、実は徒歩移動も島の中での移動方法として悪いものじゃありません。
そこで、そのメリットについてをまとめていこうと思います。
まず、直島の中は坂道が多く、細い道も多い島です。電動アシスト自転車は大きな移動を快適にしてくれますが、駐輪場が無い場所だと止め場所に困ること、狭い路地を移動しにくいこと、下り坂で怪我をする可能性があることなど、自転車もメリットばかりとはいい難く、レンタルする費用もバスの料金ほど安くはありません。雨の日は危なく、走りにくいことでしょう。
そこで選択肢に入ってくるのが、徒歩移動になります。
「島の中を歩いて回るなんて一日で回りきれるのか」「歩き回って移動なんて美術館に着く頃には疲れ切ってしまうのではないか」そういう疑問も浮かぶことでしょう。しかし、意外とそうでもありません。観光では島の全体を移動することはほとんどなく、島の観光エリア(南半分)を回るだけだからです。
例えば、多くの観光客の方々は宮浦港から島に訪れます。その宮浦港から地中美術館までは1,400mほどになります。地中美術館は山の上にあるので、途中からは上り坂が続くことになりますが、距離自体はそこまで遠くありません。島の中のバスは1時間に2本あるかどうかの便数なこともあり、島についてから移動方法を考えるよりも島に着いてそのまま美術館に向けて歩き始める方が早い可能性も十分あります。
また、島の中の景色がいい場所はほとんど坂道になっているため、写真を撮りたい場合は乗り物が邪魔であることもよくあります。
それらに加えて、歩いて移動することの最大のメリットは予定を切り替えやすいことでしょうか。
まず、島の中で乗り物をレンタルした場合、指定の場所に返す必要があり、乗り捨てすることはできません。島の中には乗り物を持ち込めないエリア(ベネッセハウスのエリア)があるのですが、例えば北ゲートにとめた場合は北ゲートまで戻ってこないといけなくなります。また本村港からの船に乗りたい場合も、宮浦港まで自転車を返さないといけない場合は難しくなってしまいます。
しかし、歩きで移動しているのあれば、それらの不都合はなく、予定の急な変更もしやすい。また、バス移動も併用できるので体力の消耗も抑えやすくなります。
これからの時期は涼しくなっていくこともあって歩きでの移動もしやすいので、選択肢の一つとして考えるのも良いと思います。夏場と違い、秋以降は雨が降る日も増えてきていて、自転車で快適に回れるかどうかは天候次第の日も増えてきます。予定の組み方に困った場合は歩いて移動することを考えると、より最適な予定を組めるかもしれません。
しかし、基本的な移動のスピードや体力の消耗の少なさなどが電動アシスト自転車に比べると劣っているのも事実です。加えて、雨の日はバスの利用者も増えて満員になっていることは少なくありません。どちらかが完全に優れているとはいえないでしょう。
私の個人的な意見、その結論としましては、島の中の予定をしっかり組んでいる人には電動自転車をおすすめします。しかし、帰る時間をまだ決めておらず、美術館の予約をまだしていない人は時間の融通が利きやすい歩き移動もおすすめできます。歩いて移動することでしか見つけられない直島の魅力もあるはず。どちらの移動方法もそれぞれメリットデメリットがあるので、自分の好みやご都合に合わせて考えていくのがおすすめです。選択肢を増やすことでこの島でより良い一日を過ごせるといいですね。
今回はこれで以上となりますが、参考になっていれば幸いです。
ps.
この時期は夕方の空が綺麗な色味を見せてくれます。秋から冬にかけて綺麗な夕焼けやグラデーションを見ることができますので、帰りの船が夕方でしたらぜひ空を見上げてくださいませ。